概説
未だに政治が何であるのかという議論は決着していないが、一般的に政治とは社会における公共的な意思決定とそれに伴うさまざまな活動を指す概念として捉えることができる。[1]政治はあらゆる時代や地域における国家に普遍的に認められるものであり、為政者や人々の正義や利益、政策や文化が関連する非常に複雑な社会現象である。
経済が交換に基づく自由な財の配分という社会的機能を持つように、政治には権威的な財の配分という機能があり、政策の実施によって社会の活動を方向付ける。その際に使用される排他的な強制力を権力と呼び、政府は概ねにこれを独占している。例えば租税や物資を徴集し、兵役制度によって人員を徴兵国防や法執行のために軍隊や警察を編制してこの武力(軍事力)を行使することができる。政治の役割は近代以降に安全保障だけでなく福祉政策や経済政策などにまで広がっていく。このことは社会における政治の影響の拡大につながった。
政治を執り行う為政者をどのように選出するのかという方法と選出された為政者に与えられる権限の分量や性質は政治にとって重大な事柄であり、しばしば政治体制として慣習的、法律的に制度化される。政治体制は政治思想、歴史的な経緯、権力の集約や分立などが関連して成立し、その制度は後述する政治過程に影響する。政治体制は政治の静態的な側面と言える。
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権力
政治を人間による利益や価値を巡る闘争と捉えた場合、権力 (Power) の位置や機能は極めて重要である。何故ならば権力政治の立場に立てば、権力を用いることによってのみ人間は社会を支配し、安定的な秩序や国家としての結束を維持することができるからである。権力とは「他者に対してその意志に反してでも従わせることのできる力」と一般的な定義を与えることができる。社会学者のウェーバーも「抵抗に逆らってでも自己意思を貫徹するあらゆる機会」と捉えており、より科学的な定義としてはダールが「他からの働きかけがなければBがしないであろうことを、AがBに行わせることが可能なとき、AはBに対して権力を持つ」という二者関係の権力を定義した。つまり権力とはどのような相手に対しても自らの意志を強制することができる政治的な能力を指す概念である。
そもそも統治するという行為には少なからず強制力が作用せざるをえない。経済に介入せず、社会を維持運営する上で最低限のことだけを行う政府を持つ国家を夜警国家と呼ぶことがあるが、夜警国家でさえ治安維持のための警察と国防のための軍備を保有している。つまり国家そのものが本来的に権力の集合体であり、政府はその権力の管理者であると見ることができる。しかし権力とはどうやって人々を支配し、なぜ発生したのかが問題となる。政治学の権力論は以下のようにこれらを説明する。
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